BLを摂取する

BLについて個人の見解を綴っていきます

BLコミックス『愛日と花嫁』渚アユム レビュー

 

ごあいさつ

オメガバース×人外と特殊設定がふんだんに使われている作品、

渚アユム先生 gateauコミックスより「愛日と花嫁」です。

ファンタジー色の強い作品でしが、和風の雰囲気もあり、ゆっくりと楽しめる作品でした。

 

以下、ネタばれ等含みますので、ご注意ください。

 

あらすじ

突然Ω性となった村の青年・ルカは村のしきたりにより神様の花嫁と呼ばれる「生贄」になることになる。

人を食べるものと考えられていた太陽神”クロ”であったが、実際は異なることが分かる。

クロと日々過ごしていくなかで、いつしか2人に間に愛情が芽生えることになり・・・。

登場人物

攻め:クロ

α 太陽神 人外 堅物 執着 溺愛

受け:ルカ

Ω 花嫁・生贄 兄 純粋 初心 一途

もっと詳しく!

ストーリー

 定番度★

 甘口度★★★★

 辛口度★★★

オメガバース×人外、そのうえ神様・生贄・花嫁などファンタジー要素が強めであり、ほかにないストーリー展開になっています。

設定も少し難しい所もありますが、どんどん読み進めてしまうワクワク感も感じます。

ダークな雰囲気もあり辛口も強めではありますが、クロとルカの関係を中心に甘さも十分感じます。

読後感はとても良く、スッキリとします。

ビジュアル

 馴染み度★★★

 可愛い度★★★

 美麗度★★★

可愛さと美しさが同居する感じ、また古風なファンタジーにもとてもマッチします。

表紙の雰囲気が作中にも感じられる作品です。

表紙で一目ぼれした方は手にってみても良いと思います。

登場人物が少し多いとは思うのですが、キャラの見分けが少し難しい所もあります。

困惑するほどではないのですが。

絡みシーン

 量★★

 濃厚度★★★★

 甘口度★★★★★

 辛口度★

 美しさ度★★★★

量としてはやや少な目ですが、さすがオメガバース作品、濃厚さを十分感じます。

最初はΩの発作を抑えるためとの名目で始まる絡みシーンですが、「自制の効くα・クロ」のおかげもあり、終始優しく温かい雰囲気でいっぱいです。

両想いになってからは、甘さしか感じません。

そして、美しい描写も相まってとても幸福感を感じます。

描き下ろしもサービスシーン満載で、とても満足させていただきました。

注意!

人外(人型ベース) オメガバース 生贄・花嫁設定 出産(におわせ)

 

以上を含みます。苦手な方は注意お願いします。

ソルトの好きポイント

ダークファンタジーとみせかえて・・・ハッピーな農業エンド

最初は急なΩ性の発言、生贄にされる展開とダークな雰囲気で話が進みます。

過去の後悔、自分の使命、Ω性であることの苦悩などダークな雰囲気も残しつつ、少しづつクロとルカを中心に受け入れていく印象でした。

全てがハッピーに解決するわけではないですし、人間と神様の寿命の違いなど、ほろ苦さは感じるものの確実にハッピーエンドへと進んでいきます。

BLはハッピーエンドでないと!という方でも安心して最後まで楽しめる作品だと思います。

私も最後まで安心して読み進めることができました。

そして、BLで農業?となりますが、この作品では十分すぎるほどのキーワードです。

和風で古風な雰囲気に、自然の描写がとてもしっくりきます。

植物により人は生かされています。

また、貧困は心をも貧しくしてしまうものですね・・としみじみ思いに更けてしまいました。

一途であるが故のエロイズム、結局ルカが一番

最初は同意とは言えない雰囲気で、絡みシーンがスタートします。

が、両想いになった瞬間、お互いのタガがはずれ、吹っ切れます。

一途で初心、計算ではなく無自覚であるが故、効果バツグンのあおりにくらくらしてしまうクロに同情してしまいます。

でも、クロは「待てのできるα」なので、ルカをいかなる時も優しく事に及んでくれます。

BLの醍醐味ですね。素晴らしいです。

描き下ろしでは2人の性事情が明かされてしまいます。

ルカの努力もあり、2人の夜の営みが成立しているんですが、笑いも欲望も満たされる描き下ろしとなっています。

本編よりエロさが際立っているルカは必見です。

いつまでも、こんな2人でいてほしいなと思いました。

そして、結局ルカみたいな子が一番エロいのではないか?としみじみ思うソルトでした。

私は電子書籍版で読ませていただきましたが、電子書籍版の描き下ろしも1pとは思えないほどの濃厚さが堪能できました。

ごあいさつ

ファンタジー色の強い作品ではありましたが、とても心温まる、素敵な作品でした。

今作品は続編の連載がされています。

また電子書籍では番外編の短編が読めるようになっています。

続編では番になった後のお話になると思うので、非常に楽しみで、続刊の発売が待ち遠しいです。

ファンタジーが大好物という方はもちろん、少し苦手という方にも一度手に取っていただきたい作品でした。

きっとハッピーな気持ちでいっぱいになるはずです